なんて美しい映画なんでしょう
私は美しいものが大好きなんですが、この二人の姿には惚れ惚れしましたよ
1983年の夏。
北イタリアの別荘で一夏を過ごしているエリオ。
彼はギリシャ・ローマ考古学の教授である父と
何ヶ国語も話すことができる母親の一人息子。
お手伝いさんも一緒にいる。
趣味が音楽の編曲で譜面を書いたりピアノ、ギターなど楽器を弾いたり。
とても裕福な一家ですよね。
そこに教授である父親が博士課程の学生を一人、アシスタントとして別荘に招待する。
その彼がオリヴァーだ。
簡単にいえば二人の恋の物語。
けれどその描写がまたいいんですよ
ジェンダーどうこうってのは関係ないですね、
ただそこに存在している人が自分にとってのかけがえのない人物となっていく。
永遠の一夏の経験。
恋と呼ぶべきか、愛なのか。
二人とも見た目もかっこいいから当然彼らを好きな女性もいるわけで。
しかし彼らは互いしか見えていなくて。
本気で人を好きになりその人と恋愛した事がある人ならば
彼らの気持ちや
エリオの心の動きが痛いほど理解できるのではないでしょうか?
時々感じることがあって
恋愛体験てその年代年代で多少は感覚的なものって変わってくると言うか
たとえば10代前半と後半ではまただいぶ違うと思うし
20代の恋愛ってのもまた10代のものとは少し違う部分もあったりするような。
人を好きになるって感覚自体はキュンキュンする感覚とか同じだとしても
自分の人生の中で体験したその時その時の恋愛経験って
後々の自分に多少は影響与えていて
その人そのものを形成していく要になったりもすると思う。
人との別れも辛くて痛くてどうしようもなかったりすると思うけど
そういった苦しい体験さえも
人を全力で好きになって愛せたからだとも思う。
傷ついたことがないとか失敗したことがないって人がいるとしたら
その人はそういう恋愛体験をしないまま来てしまったってことになるというか。
どんな事もそうだけど
映画やドラマ、人から聞いた話の受け売りをしてる人というのは
結局自らは何も体験していなくて
頭でっかちになってる気がして。
たとえば人の失恋を笑う人なんかがいたんだけど
恋愛で傷ついた事がない人なのかなぁと
少しその人をかわいそうに感じた事があった。
人の痛みがわからないっていうのは
想像力が働かないって事でもあるから。
人って恋愛する事でより魅力的にもなったりするし
良い恋愛はお互いを高め合い尊敬し合える。
切ない気持ちとか「好き!!!」って気持ちは
どの国の音楽を聴いても国関係なく共感を呼びますよね。
アデルや初期のテイラー・スウィフト、サザンオールスターズ、Tulipなどたくさんありすぎますが
今Billboardでトップ100に入っている曲でも
男性が彼女に振られた悲しみを延々と歌ってる曲が流行ったり。
このエリオとオリヴァーの関係って
もちろん二人の間には恋愛感情が存在しているんだけど
ふざけあったりする場面はまるで友達・兄弟のようで
とても不思議な感覚を覚えました
あとエリオのご両親の懐の深さにも感銘を受けました。
理解力のある人がそばにいてくれるって
とても心強いなぁって。
この作品はギリシャ彫刻がモチーフになっているとか。
オープニングでも彫刻の写真が出てきますね。
そういえば「高校教師」というドラマが昔ありましたが
こちらもギリシャ神話のような話を書きたいという野島伸司氏の考えから出来上がった作品だったようですものね
愛の物語はやはり国は関係なく美しいですね。
この続編があるとかないとか言われておりますが
どうなんだろう〜